Michiyo’s 『道』 BLOG!

こんにちは。慶児道代です。私のブログへようこそ!

ドドドドドドドド!!!

私は 倉敷から いきなり チェコ共和国へ飛んじゃったんですが、何というか... とにかく 一度ここから出ないとダメだ と感じてました。

行った当初は チェコ共和国と日本の間でヴィザ協定が結ばれていなかったので、街を歩いていて 日本人に会うという事は殆ど無かったです。

で!私、留学で来たんですが、実は 学校も先生も決まっておらず... 現地で全て手探りで動き出しました。ホント よくやったなと思います。


私が、チェコ人が演奏するチェコ音楽に惹かれたのは、表面のメロディーの美しさとは全く別の深い場所で、ドドドドドドドド!!!っと流れている何か強い物を感じたからです。
それが、何なのか?知りたかったのです。

一時は「チェコ人になろう!」として 食べるもの、生活習慣…など  あらゆる事を真似たりしましたが、自分とのズレに心身共々ストレス満載になり、自分は身体や道徳観(価値観)…全て『日本産』であると言う結論に至りました。 (笑)


1994年にアントニーン・ドヴォルザーク国際声楽コンクールで入賞しましたが、彼らが注目したのは、チェコの歌曲集の最優秀演奏者、チェコのオペラアリアの最優秀演奏者に対して贈られる特別賞を両方共、外人(アジア人)の私が受賞した事でした。

ラジオ録音の副賞で 受賞した歌曲集を全曲録音させて頂きました。当時 国営ラジオ3局のうち1局は朝から晩までクラシックを流していて、そこで私の録音を繰り返し流して下さいました。それを チェコの各地にあった音楽友好協会の方々が聴き、私の演奏に興味を持ち、コンサートに呼んで下さる様になりました。

まだ今の様に、多種多様な音源が簡単に手に入らない状態で、閉ざされた状況下で護り続けていたチェコ人特有の音楽観が、演奏する側にも、聴く側にも深く息づいていて、演奏後の感想を始め、音楽友好協会の方々のチェコ音楽への熱い思い一杯のお話は、大変興味深かったです。

私にとって、たまらなく嬉しかったのは、私の歌にチェコ人として共感が持てると言って頂ける時でした。何故か涙が溢れてくる...と...。

そういう反響が、また隣町の音楽友好協会に届き...と言う形で、私は、チェコ中を歌って巡る幸運を頂きました。

チェコと言う国は、長い歴史の中 ヨーロッパの真ん中で、幾度も幾度も侵略され、他国の圧力下で 自分達の言語を、自分達の文化を 守り続けて来ています。

あの深い部分でドドドドドドドド!!!っと流れていたのは、その彼らの信念と言うか、母国に対する愛と言うか、そういう物だったんだと、チェコを演奏して巡りながらチェコ人の音楽にかけた思いを感じていました。

そして 私があのドドドドドドドド!!!に惹かれたのは、私の中に同じ思いがあったからなんだな...と理解できました。

 

自分を生き抜くために、自分を潜めて信じ抜く...と言うのかな?そんな感じ...。

 

それをぶつける事ができる場所、それを受け留めて 共感して下さる国がチェコだったんだなと思います。

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