Michiyo’s 『道』 BLOG!

こんにちは。慶児道代です。私のブログへようこそ!

フィルター

どのタイトルで書いたかな?
私が3歳になる頃に、ご近所さん巡りで初ツアーを行った話...。
あれが、本来の私なんだろうと思います。

物心ついてから...自分を抑えるようになって、しかし爆発して…倉敷少年少女合唱団に入り、またどこかで抑えるようになって、爆発して…音楽の道に進む事を決め...、また抑えるようになって...次の爆発で日本を出た。

生まれた時に 自分の中に居た 純の自分を抑えて、環境に適応すべく努力しても、どうしても崩せない部分と言うのが、誰の中にもあるのかな?と思います。
それが、私の場合は歌だったと言う事なのかな。

チェコでもやはり...ある程度進むと抑えなくてはいけなくなって来てました。
私が『外人枠』と感じたそれです。
10年もここに居る、もうお客様ではない!と思うのに、周囲に映る私は、ずっとお客様...。
これは、海外生活の経験を持つ人は、皆さん感じていますよね。
日本に住んだ外人さんに聞いても同じでした。

本来の自分に 自分で殻を作って、その中で体験を膨らませて、その殻を自分で破って、またその中で体験を膨らませて、また破って…と言う事を、皆 繰り返してながら生きているのかな?

どなたかに『貴女は竹の様に生きる人だ』と言われた事があります。
節をつけながら、真っ直ぐに伸びる...。

確かに...そう生きてるのかもなぁ...。

劇場で歌わせてもらう様になり、リサイタルや、オーケストラ、室内楽との共演経験を積むようになって来て感じたのは、「ステージの上で、『私』で居ては役目を果たせない」と言う事でした。
段々と『私』をアピールしたくなって来てました。
『私』を見て欲しい、『私』を覚えていて欲しい、でも...毎回どうやっても、作曲家はそこに一番大切なものとして在る。『私』が出過ぎると、音楽が流れない。
曲想を練るよりも、自分の中に入ってきた曲が 流れたい様に 流してやれる事が大切なんだ...と。

私の役目は、暗号の様な白黒の楽譜を起こして、私と言うフィルターを通して、皆さんにお伝えするだけ。
楽譜を読み進め、歌い進めていく中で、感じる事を感じるままに流していく事。
私と言う管の中で、一つ一つの人生経験がフィルターの様になってる様な...それを通して、ゴチャゴチャの情報(フォルテ、ピアノ、リタルダンド、アクセント...etc.)を落として...。密度の濃い流れとして皆さんに届けられたら良いのかな...と。

人生を生き進む間に、何度となく自分を抑え、殺し...、再び 自分本来の道に軌道修正しようと もがく事は、良いフィルターになる為に必要な事なのかもな...。
さて、一体 今、私はどの辺りを歩んでいるんだろう...。

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