随分とご無沙汰してました。
6月のコンサートの後、チェコで子供の為の(と言っても12- 19歳)音楽講習会、7月は2週間 チェコとフィンランドの合同講習会で 声楽講師を務めさせて頂きました。
そして!!
7月31日から8月10日まで、昨年に引き続き ミュージック キャンプ・プラハで 声楽講師を務めさせて頂きました。
(8/9、修了演奏会後、クベリーク・トリオさん&参加者と共に...)
今年の声楽は、7名の参加があり 10代から40代と参加者の年齢層も広く、経験も様々でしたが、皆さん良い人ばかりでお互いを気遣いながらもドンドン仲良くなって、 楽しく受講して下さって 幸せな幸せな時間を過ごさせて頂きました。
声楽家は、 楽器であり、演奏家であり、演技者でなくてはなりません。無伴奏でのソロ・コンサートは まず行われる事がなく、常に誰かとアンサンブルしています。
このキャンプでは、この3つのバランスを意識しながら、アンサンブルへもアンテナを張る事ができる様に、午前中はテクニック(楽器である事への意識)のみのレッスン、午後からはピアニストと共に レパートリーだけのレッスンを組んでいます。
取り組む中で ドンドン声が変わって行った人、本来の自分の声に驚き喜ぶ人、自分の変化の鍵になる問題に直向きに取り組んでくれた人、精神面での問題が歌にどれだけ影響するのかを理解した人、これまでの学びをまとめて行く作業に入った人、楽器である身体を意識できる体験を得た人…
本当に沢山の気づきがありました。
今回ありがたかったのは、自分の勉強の為にビデオカメラを持って行くので、皆さんも使って下さいと、毎日のレッスンを朝から晩まで録音、編集して、皆さんに提供して下さった気遣いと親切が素晴らしい方が居て、自分だけではなく、受講している人皆に気を配って下さったことです。
歌っている自分の声は、自分では聴けないと言うのが、声楽の大変な所...。この方のご親切は、本当にありがたかったです。
8月9日のピアノ伴奏での修了コンサートでは、それぞれ真剣に自分の取り組みを発表して下さいました。
(8/9、ディル音楽院での修了演奏会後、声楽コース受講者、伴奏の合田牧子さんと共に...)
忘れられないのが、思うように歌えなかった事が悔しいと大泣きした受講生の事、「歌で悔しいと思ったのは初めてです!」と言いながら彼女が流した涙の美しかった事!!素直で直向きな彼女の取り組みは、本当に真摯でした。彼女にとっては、この10日間だけではなく、参加を決めたその時から新しい取り組みが 始まっていたのではないかな?と思います。日本でのマスタークラスで数回お声を聴かせて頂いていましたが、今回の受講にあたり受講曲の相談など、準備段階から時々連絡を取り合う中で、私も彼女の奥に潜む可能性が気になり始め、関われば関わるほど、彼女の人柄に魅了されました。プラハでの彼女は、自分の取り組みと共に周りへの気遣いも本当に自然に 明るく 楽しくしてくれていて、こんな素敵な子と同じ空間に在るという事が嬉しかったです。
今年の声楽コースは大きな贈り物を頂きました。弦楽オケの修了コンサートに声楽から ソリストをと言って頂き、ソプラノ、メゾソプラノ、テノールの3名がJaroslav Krček(ヤロスラフ クルチェク)先生率いる 弦楽オケをバックに ルナージュ城のホールで演奏させて頂くと言う非常に貴重な機会でした。
(ソリストの写真は、左から...メゾソプラノ新宮さん、テノール川端くん、ソプラノ幸坂さんです。)
オケに参加の受講生がホンの1週間で楽曲を仕上げていく中へ 経験の浅い声楽受講者(オケとの共演が初めての子もおりました)が加わってホンの数回の合わせで本番という とんでもなく大変な状況にも関わらず、指揮のクルチェク先生を始め、キャンプを引っ張って下さるクベリーク・トリオの皆さんは 受講生の今後に活かして欲しいと願い 彼らの内側に秘めた能力が開く事を信じて見守り続けて下さいました。
皆さんの「愛」に多くの事を学ばせて頂きました。心から感謝しております。
ありがとうございました。
当日、会場いっぱいのお客様の前で、それぞれの今出来る最高の演奏をクルチェク先生の指揮、弦楽オケの皆さんに支えられて発揮してくれて、ホッとする以上の何とも言えない幸せな思いに満たされました。クベリーク・トリオのお三人も、喜んで下さって…。
(8/10、終演後、指揮のクルチェク先生とソリスト達...。)
クルチェク先生が打ち上げのお言葉の中で、人間の声について...、我々楽器奏者かどれだけ頑張って弾きこなしても、生まれながらの良い声で歌われると敵わない...と仰った時には、練習時の先生方の忍耐、決して諦めずに導いて下さった事に心から感謝いたしました。彼らの能力を信じて下さったからこそ、今日の演奏会があったのですから…。
この貴重な機会のお陰様で ソリストを務めた受講生だけではなく、私も本当に沢山の事を学ばせて頂きました。
声と言う楽器で演奏する声楽は、持って生まれたモノだけでの勝負です。持って生まれ、且、自ら歌いたいと望んだという事は、我々は皆、何某かのお役目があるのでしょうね。独りでは演奏する機会が殆どない声楽、周りに支えて頂いて自分が歌えている事を忘れず、常に感謝で、精進して行って欲しいな…と思います。
(クルチェク先生、コンサートミストレスさん、第2ヴァイオリンのトップさんと共に...。)
今回の3名のソリストも、それぞれに自分の課題にしっかりと目を向けるいい機会になったようです。歌と言うのは、身体と心の状態がハッキリ影響してきます。
ここぞとばかりに自身が乗り越えていくべき課題を 毎日突き付けられた子もいました。怯むことなく、とにかく一つ一つに取り組んで、成長して行った姿、本番の集中力...、昨年に引き続き参加してくれた彼女は、今年もまた大きく成長してくれました。帰国後には、すぐに新たな挑戦をしていたそうで、朗報を知らせてくれて ありがとう!引き続き、頑張ってね!
(左から、新宮さん、幸坂さん、川端くんです。)
最後になりましたが、この怒涛の10日間、伴奏をして下さった 合田牧子さんには、格別の感謝を申し上げます。
彼女とは、チェコに来た当初からのお付き合いで、出会った時から 今日まで 全く変わらないその優しく穏やかな人柄と丁寧な音楽への取り組みを続けられ、現在は、ソロのピアニストとしてだけではなく、アンサンブルでも活動され、後進の指導にも当たっておられます。
今回は、2つ目の修了演奏会への準備もあって、色々とご無理もお願いしてしまいましたが、いつも快く、受講生の事を第一に考えて下さって…。
彼女に支えて頂けた事は我々にとって大きな幸せでした。
本当にありがとう!
講習会開催中には、日曜日にチェスキークルムロフへのバス旅行に行ったり、
(声楽コース受講生と ガイドをして下さった皆が大好きなMarkétaさん)
声楽コースの受講生、伴奏の牧子ちゃん… 皆で揃って 数回 夕食にも行きました。
私の誕生日に 嬉しいサプライズもありました。皆さん ありがとう!
レッスンを離れて皆さんと過ごした時間の楽しかった事!!!それぞれが自宅に到着するまで、そして、その後も連絡用のグループサイトでメッセージが飛び交って...。
(8/10の修了コンサート後の会場で…受講生、クルチェク先生と共に。)
ミュージックキャンプの関係者の皆さん、牧子ちゃん、受講生の皆さん、本当に本当にありがとう。
幸せな幸せな時間でした。