9歳の時に 倉敷少年少女合唱団に入団したのが 現在の私に至る起点です。
私の幼い頃を知るご近所の話によると、2ー3歳の頃 ご近所の呼び鈴を鳴らして、「遊びに来ました~!」と上がり込み、カーテンの裏に隠れ、拍手を要求し、自分でカーテンを開けて出て来て、歌い踊ってたんだそうです。(赤面!)
私としては...、「一切、記憶にございません。」なんですが...。(古いね、このフレーズ)これが、おそらく私の『初 ツアー』かと思います。(笑)
そんな子でしたので、ご近所は 皆さん 私が歌が好きな事をご存じでした。そのご近所から、風邪をひいていけなくなったから...とチケットを頂いた『倉敷市民音楽祭』で、倉敷少年少女合唱団の演奏を聴いたのが、運命の出会いです。
「私もあの中で歌いたい!」
「プログラムに入団試験の応募用紙が挟まれてるけど…受けてみる?」と、母。
「受ける!」
その後 母は「あの時、こんな事になると解っていたら...」と、何度も言う事になるのですが...。
入団試験の時、実技を終えて 面接試験を待つ間、私は母に「落ちたら来年も絶対受ける!」と言いました。母は、驚いた顔で私を見つめていました。
2ー3歳の頃、独りでコンサート・ツアー(笑)に出かけて行く様な子だった私でしたが、この9歳の頃には、自己主張を殆どしない子になってました。
しかし! この時ばかりは、母も驚くほどの ガンガンの自己主張だったそうです。
入団後、毎週土曜日が楽しみで仕方ありませんでした。
全てから解放されて、皆と歌う事が楽しくて...。
10歳の時でした、いつもの土曜日の練習の最中に、
「あぁ。歌っている私が、本当の私だ!!!」
と感じたんです。
小学2年生の頃から、私は自分が何人もいる様に感じてました。
「これじゃぁ 怪人二十面相だ...。私は、なんで こんな なんだろう?」
「一体 どの自分が 本当の自分なんだろう?」と、悩んでました。
それが、一気に解決したんです。
『歌を 歌っていれば、私は 自分を見失う事はない。』
腹の底、心の底、身体全体でそれを感じてました。
どういう形で歌い続けるとか、そういう事は 何も具体的に考えられませんでしたが、一生 歌と共に歩んで行く事は、この瞬間に心に決めていました。