Michiyo’s 『道』 BLOG!

こんにちは。慶児道代です。私のブログへようこそ!

声探し <part 1>

今回 2月のリサイタルでは、ドヴォルザークの作品がプログラムの主軸になっています。

チェコの作曲家の中で、国外で一番よく演奏される作曲家です。

チェコ行きを決めた当初、このドヴォルザークの作品を チェコ人が演奏すると、あの ドドドドドドドド!!!が聴こえてきたんですが、他の国出身の演奏家には、なかったんです。

非常に荒削りな演奏…と言う印象でもあったんですが、それで片付けてしまえない、深い所から来る 魂の叫びの様でした。

 

ドヴォルザークは、ヨーロッパの枠を超え アメリカでも成功を収めた作曲家で、存命中から 多種多様な価値観の人々に演奏されてきた作曲家です。

チェコ様式!と言う枠の様なものを考えずに、湧いてくるままに想いを乗せれば良い作曲家だと 思いつつも…、私の中には、「ドヴォルザークのサウンド」のイメージがあって、チェコに渡った当初  自分の声ではドヴォルザークが歌えない事を痛感し、途方に暮れてました。

 

まず 身体!

私 日本では決して小さくは無かったんですが、チェコ人の中に入ると ホントに小さいんです。

彼らと同じ様になりたくて、彼らと同じ様に 食べたり飲んだりして... 結局 身体を壊し、元が違う!「私は、私に合った方法で 私の声を見つけるしかない。」と理解。

 

ベルヴェデーレ国際声楽コンクールのプラハ予選を通過して、ウィーン本選に参加した時、 ある練習室から聴こえてくる声に度肝を抜かれました。

身体全体がビンビン鳴ってる!

響きが豊か!

チェコで聴いたことの無い響きでした。
 !! 注)これは、20年も前の話です。あの頃のチェコは、まだ東欧の香りが濃かった...。

 

結局 コンクールでは、ファイナルに残れず、クサクサと街を歩いていたら、ポーランド人のコレペティの方が 「残れた?」と声をかけて下さって、「ダメでした。」と言ったら 驚かれ (ホントに 予選の時から 気にかけてくださって 良い方でした) 「そこで 声楽のマスタークラスやってるわ 素晴らしいから 観に行きなさいよ。」と教えて下さって… 「聴講料は?」と聞くと、「あら!知らないわ!Grüß Gott! ってニッコリ挨拶したら入れてくれたわよ。」

・・・!!!

 良い時代でした。(笑)

そして...、私は、笑顔と「Grüß Gott!」で会場に潜り込み、マスタークラスを見学したのです!

 

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